私は午前中、近隣の脳神経外科クリニックのリハビリテーション室に勤務しています。ここでは、頭痛やめまい、肩コリ、しびれなどでお困りの方を中心に身体のケアを行っています。
この様な症状は、突然回復するという事は珍しく、そのほとんどが徐々に回復していく過程を辿ります。(中には一度の施術で急激な回復をする方もいらっしゃいますが…)
そして、この回復の過程をしっかりと患者様と共有できるかがその後のケアにも非常に大切になってきます。症状がある・ないだけでその回復を判断してしまうのは、危険です。
今回のブログでは、臨床で、私が患者様に説明している症状が回復してきているかどうか、痛みを目安としてみる方法を御紹介します。
①痛みの程度が減ってきた。
今までで最高の痛みを「10」、全く痛みのない状態を「0」として、現状の痛みの程度を数字に置き換えてみます。
痛みは自分にしかわからないものですから、それを数字化する事によって客観的に痛みを捉える事ができます。また、数字が減ってくれば回復している目安になり励みにもなります。
②痛みの出ている時間が短く、頻度も減ってきた。
例えば、一日中出ていた痛みが2~3時間になり、毎日出現していた痛みが週に2回に減ってきたと言った具合です。
③痛みの範囲が狭くなり、はっきりしてきた。
痛みの範囲がせまくなったり、場所がはっきりしてきた。
このような変化に戸惑う方は少なくありませんが、これは回復のサインです。シビレの症状では、手先や足先に出ていたシビレが肩や脚の付け根に移動してくるのも回復のサインになります。
以上のような変化が回復の過程で生じてきます。
このような過程を経て回復する事がわかっていると、治療に対しても前向きに取り組む事ができるのではないでしょうか?
この変化に気づくためにも自分の体の変化をキャッチするアンテナを張っておく事も必要になります。
サロンにみえる方に「一回で治りますか?」と聞かれる事があります。
外傷か慢性障害かによっても異なるので一概には言えませんが、特に慢性的な痛みなどの症状は、今までの体に蓄積された力学的・精神的ストレスによって引き起こされています。
ですからその症状も突然回復することはなく、少しずつ回復していくものです、人間も自然の一部ですからね…とにかく焦らず、少しずつ回復させていく事が大切になります。