「ボディケアルームつなぐ」の施術について
当サロンの施術対象になるのは機能障害をお持ちの方です。
機能障害とは?
怪我などのように事故や何かしらのアクシデントによって筋や骨、靭帯などの組織に大きな傷を受けた事により起きてくるものを器質障害(骨折や肉離れ等、レントゲン検査やMRI検査などの画像診断等で明確になるもの)と言います。
急性障害とも呼ばれ、病院での治療・対処が必要となり、当サロンでは対象外となります。
一方、当サロンの対象となる機能障害とは、毎日の生活の中で繰り返される姿勢や動きが身体の特定部位に小さな傷や、硬さ、弱い部位を作り、その結果、出現してくる痛みやしびれ、柔軟性低下、筋力低下などの症状の事を言います。(病院で行うレントゲン検査やMRI検査などの画像診断等では明確になりにくいもの)
機能障害を起こしやすい人とは?
当院では、正しい姿勢と正しい身体の動きが出来ているかという点を機能障害の指標として考えています。
正しい姿勢と動きとは…エネルギーを無駄に使う事なく、しかも局所に負担をかけすぎる事のない姿勢、動きの事です。
この椅子に座っている姿勢を見て下さい。
どれが正しい座り方でしょうか?と聞かれればほとんどの方が①の座り方と答えると思います。
長時間の座位をとると経時的に①、②、③とだんだんと重力に負けてつぶれていくような座り方になります。
ただでさえ、座位姿勢は、腹筋に力が入りにくい姿勢です。そのような状態で長時間のパソコンを使用した事務作業等を行っていると腹筋をはじめ体を支える筋肉は疲労してきて、姿勢はどんどんと重力に負けるかのように下方向に潰れていきます。
③のような姿勢では、腹筋にはほとんど力が入らずに、反対側の背筋や脊椎の関節に寄りかかって座っている状態です。
つまり、腹筋は縮んだ状態に、そして背筋は伸ばされた状態になります。
この姿勢が長期間に及ぶと腹筋などの体の前面の組織は短縮をおこして硬くなり、背筋などの体の後面の組織は伸張されて小さな傷が蓄積されて硬くなります。そして脊椎関節の一部である椎間板はいつも圧縮されて傷つけられてきます。
その結果、腰痛を始め、肩や首などに痛みやしびれ等の症状が起きてきます。
また、この場合、椎間板に炎症を起こしたり椎間板ヘルニアの原因の一つにもなってきます。
このように重力に負けて潰れてしまうような間違った姿勢の保持が様々な部位に機能障害を引き起こす要因になってくるのがわかります。
機能障害を改善するために
●機能障害を改善させていく上でのポイント
- 姿勢や動きを観察して症状が出ている部位と照らし合わせ、原因となる動きや姿勢を見つけていきます。
- 短縮している軟部組織と伸張している軟部組織をみつけ、それぞれを調整していきます。上記した座位姿勢の場合、短縮している腹筋等の体の前面は伸張させつつ、伸張した状態でも筋肉が働くように調整していきます。一方、伸張されている背筋等の体の後面は短縮した状態でも筋肉が働くように調整していきます。
- 硬くなって動かなくなっている関節の柔軟性を高めます。関節が硬い場合、筋肉をはじめとした組織と関節を構成している組織そのものが硬くなっている事が混合しています。最初に筋肉の柔軟性を改善させてから次に関節そのものの柔軟性を改善させていきます。 この①~③の過程で痛みなどの機能障害は改善傾向を示してくる傾向にあります。
- 正しい姿勢や動きを運動療法を通じて学習していきます。
- 当サロンでは寝返りや立ち上がり、座位や立位での身体を曲げたり、伸ばしたり、回旋させるといった簡単な動きのなかで特に重心の移動を留意しながら効率の良い姿勢や動きを学習していきます。この姿勢や動きを日常生活のなかでも表現していく事が、さらなる症状の改善や予防にもつながっていくものと考えております。
筋・筋膜
「ボディケアルームつなぐ」は、痛みやしびれの症状を専門とした施術を得意としています
痛みやしびれを機能障害ととらえて、間違った姿勢や動きがその大元の原因になる事はもう述べてきました。
ここではその直接的な原因となる筋・筋膜の事を述べていきます。
●痛みやしびれの原因とは何でしょうか?
筋や関節から来るもの、また、神経や内臓からくるもの等、様々なものがその原因として考えられます。
当サロンではその中でも筋肉を包んでいる筋膜や筋が痛みをひき起こす主な原因として考えています。
最近ではTVや雑誌等のメディアでも痛みやしびれの原因として、筋膜は度々登場してきます。
筋膜は、その名の通り筋肉を包む膜で筋肉を収縮をガイドする役割を持ちます。
そしてこの筋膜は(皆さんもどこかで耳にした事があると思いますが)コラーゲン線維とよばれるタンパク質から出来ていて、その85%が水分です。 水分の枯渇やストレス、同じ姿勢での長時間作業(パソコンやデスクワークなど)、怪我や手術の既往、筋肉の柔軟性の低下などにより、筋膜同士が癒着してしまい、筋肉自体の動きを阻害して筋肉内に硬結が生じます。
これがトリガーポイントとなり、他の部位へ痛みやしびれを引き起こしてきます。
●筋膜の特徴
- 筋膜はネット状に全身に拡がっていて身体を形づくる役割も果たしています。つまり、筋膜のある部位に硬さがあるとそこに引っ張られてしまい、あたかも身体に折り目がついたようなパターンの動きにとらわれてしまうことにもなります。このような間違った身体の使い方をしていると特定の部位にばかりストレスがかかり、もともとの硬さがあった部位ではない場所にある筋や神経、関節にも傷がつき、痛みが起きてきます。
- 筋膜は血管や神経、リンパ管の通路としての役割もあります。よって、筋膜の硬さがあれば循環不全による痛みやしびれを引き起こしてきます。
- 形状記憶性という特徴も持ち、伸ばされたコラーゲン繊維は数日もすれば元の長さに戻ってしまいます。これは、マッサージやストレッチをするとその時は良くても数日もすれば元に戻ってしまう事で皆さんも体感できるのではないでしょうか?まったく、効果がないわけではないのですが、別の言い方をすれば「3歩進んで2歩下がる」ような感じです。この1歩を積み重ねていくには…そうです。自分でもその問題を引き起こしている筋膜に対してセルフケアが必要になるのです。お薬を服用するように毎日、セルフケアに取り組む事が重要となってくるのです。
この様に筋膜を中心に捉えると慢性的な身体の痛みやしびれの原因とその対処について理解しやすくなると思います。
「ボディケアルームつなぐ」の施術方法
1.筋膜や筋肉の緊張を改善させていくための方法
SBT(Switch Back Technique)注1、筋膜リリース、ポジショナルリリース、指法、軽擦法などを使います。
2.筋や関節の硬さを改善させていくための方法
FRT(Functionalization by Respiration and Articular movements Technique)注1
ASTR(Active Soft Tissue Release)注2、関節モビライゼーション、ストレッチ、マッスルエナジーテクニック、ストリッピングテクニックなどを使います。
注1)古川容司先生考案 注2)松本不二生先生考案
3.筋バランスを調整していく方法
短い筋と伸びた筋、そして、強い筋と弱い筋のバランスを整えていく。求心性収縮と遠心性収縮のコントロールや筋の抑制や促通など各種運動療法を実施しながらそのバランスを調整していきます。
4.不良姿勢や誤った姿勢を改善させていく方法
重心のコントロールを念頭に、骨盤帯と肩甲帯を中心とした立ち上がりや身体の曲げ伸ばし、回旋運動などを通して正しい体の使い方を学習していくとともに、自分の姿勢や体への関心を高めていく事を目的に運動療法を実施していく。
5.自分の身体に対する理解を深め、お薬を服用するように日頃からセルフケアトレーニングに取り組んで頂く。
テニスボールを使った自分でできる筋膜リリースやセルフSBT、セルフASTRまた、運動を併用しながら行うセルフ関節モビライゼーション等を指導致します。